【ディープラーニング】深層学習とは何か〜学習編〜





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ビジネスの現場で活躍しだした機械学習

ビジネスや社会にどのように影響を与え、活用されていくのかに興味がある方は増えてきている一方で、ディープラーニングについて知りたい方もいると思います。

機械学習の導入はまだ先のことと考えている人もいるかもしれませんが、機械学習は大企業に限らず、最近では中小企業にまで導入が進んでいます。機械学習の市場規模は、AIやビッグデータ関連のデータから推測できます。EY総合研究所の発表によると、2015年の「人工知能関連」の国内市場規模は、3兆7450億円と推計されており、2020年には6倍の23兆円を超えると予測されてます。

 

また、IDC Japanによるビッグデータテクノロジー/サービス市場の予測よると、2015年で947億7600万円だった市場が今後年平均25%のペースで成長し、2020年には3倍の2889億4500万円に達すると予測されています。

大手IT企業は、機械学習に対する投資に力を入れています。例えば、Appleは機械学習企業を、2015年から2016年にかけて3社も買収しました。

 

MicrosoftやAmazon、Googleといった企業も機械学習サービスやツールの開発に力を入れており、熾烈な競争が続いています。また、既存の顧客分析ツールなどに機械学習の機能を組み込む流れも、急速に加速しています。国内のIT企業もこの動きを追っています。

ソフトバンクの例を挙げると、エントリーシートの合否判断をAIに任せるといった事例もあります。

 

深層学習(Deep Learning)について

深層学習(Deep Learning)とは、機械学習の一分野です。全く違うものではありません。

深層学習が注目されたきっかけは、2012年に開催された画像認識コンテスト「ILSVRC(ImageNet Large Scale Visual Recognition Competition)」であると言われています。この大会は、2010年から毎年行われていて、大規模画像の認識・分類をソフトウェアで行わせます。具体的には、ImageNetで公開されている飛行機やピアノなど、様々なものが写っている写真データを学習させて、写真に写っているかを認識させ、その精度を競います。

 

このコンテストで、2012年、カナダ・トロント大学のジェフリー・ヒントン教授が率いるチームが、深層学習を利用して2位のチームを大きく引き離して驚異的な精度を示し、優勝したことがターニングポイントとなりました。

翌年の大会でも、上位チームには、深層学習を利用したものが目立ちました。ちなみに、2014年にはGoogleが優勝しました。

 

こうして、わずか数年で、深層学習は物体認識の分野で圧倒的な性能を示すようになりました。

さらに、深層学習は、画像分野・音声認識の分野だけではなく、自然言語処理など、様々な分野で活用され始め、大きな成果を上げてきました。それほど、飛び抜けて深層学習の精度が良かったわけです。

実はその概念や手法は1980年代からあったのですが、コンピュータが高性能になったことや、ビジネス分野で大きく成功を収めたこともあり、これだけ注目されるようになりました。

 

人工知能(AI)・機械学習・深層学習の違い

人工知能(AI)・機械学習・ディープラーニングの3つのキーワードが出てきて、混同している方も多いかと思います。3つのキーワードの関係性は、大まかに「人工知能 > 機械学習 > ディープラーニング」という構造になっています。

以下にそれぞれの住み分けを図にしてみました。誤解してしまいがちですが、ディープラーニング自体がAIということではなく、人工知能(AI)の要素技術の1つの位置づけとなります。

 

①人工知能(AI)

■ 弱いAI
人間の知能の一部であったり、ビジネスにおいては業務の一部であったり、限られた問題解決を行えるものになります。

– 特化型AI
特定の決まった作業を遂行するためのもの(オセロ・将棋・囲碁AIなど)になります。

– 汎用型AI
特定の作業やタスクに限定せず、人間同様の振る舞いもしくはそれ以上の汎化能力を持ち合わせたものになります。

■ 強いAI
脳科学などを取り入れながら人間の知能や心の原理を解明し、人間の脳機能と同等の汎用的な知的処理が実現可能なものになります。

人間のように自意識や感情を持ち合わせているというわけです。鉄腕アトムやドラえもんを想像していただけるとわかりやすいかもですね。

 

②機械学習

機械学習についてはすでに記事を書いているので、リンクを貼っておきます。

機械学習って?

 

③深層学習

■ DNN(ディープラーニング)
ニューラルネットワークというパターン認識をするように設計された、人間や動物の脳神経回路をモデルとしたアルゴリズムを多層構造化したものになります。

■ CNN(畳み込みニューラルネットワーク)
局所的な情報の抽象化及び普遍性をもたせた順伝播型ニューラルネットワークを利用したアルゴリズム。DNNを2次元データに対応させたもので、画像に対してパターン認識能力を示します。

■ RNN(再帰型ニューラルネットワーク)
音声、動画データのような可変長のデータを扱えるようにするために中間層に再帰的な構造をもたせた双方向に信号が伝播するニューラルネットワークを利用したアルゴリズムとなります。DNNを横に繋いで時間変化する連続的なデータに対応させたものですが、あまり長時間のデータには向きません。

主な用途:音声認識・動画認識・自然言語処理・異常検知など

 

パーセプトロンについて

ニューラルネットワークを理解するにあたり、パーセプトロンという人工ニューロンを紹介します。

このパーセプトロンは、フランク・ローゼンプラットが1957年に考案したものです。比較的単純な仕組みでありながら、現在の機械学習の基礎となっているものです。まずは、入力層と出力のみの層からなる、以下のような単純パーセプトロンをご紹介します。

この図では、単純パーセプトロンのため、複雑な計算は出力できません。ある各入力値である変数から一つの出力値を導出します。複雑になると、ニューラルネットワークを利用することになるわけですね。

 

ニューラルネットワークについて

ニューラルネットワークとは、人の神経をもしたネットワーク構造のことです。コンピュータに学習能力をもたせることによる、様々な問題を解決するためのアプローチということができます。

人間の脳の中には、多数の神経細胞(ニューロン)が存在しています。1つのニューロンは、他の複数のニューロンから信号を受け取り、他のニューロンに対して信号を渡します。脳は、このような信号の流れによって、様々な情報を伝達しています。この仕組みをコンピュータで再現したのが、ニューラルネットワークです。

 

ニューラルネットワークは、複数のニューロンを繋げた構造をしているネットワークです。上の図の中で、入力層に学習させたいデータの特徴を入力します。すると、入力層・中間層・出力層を通って処理されて結果が出力されます。

このニューラルネットを3層以上重ねたものを、一般に「ディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)」を呼びます。このDNNを使った機械学習が深層学習(ディープラーニング)です。深層学習では、大量のデータを学習することで、各ニューロン間の接続の重み付けのパラメータを繰り返し調整します。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

sugi

大学卒業後、IT企業に就職を果たす。システム開発・人工知能に触れながら大手企業と業務をこなす。2年半後脱サラし、フリーランス活動経験を経て 2019年2月から起業し、今に至る。 自社サービス及び製品を開発、ブログ収入、クラウドソーシングなど、多方面で売り上げを立てている。