エンジニア不足の深刻化の理由とIT人材価値について考える





今IT業界では「エンジニア不足問題の深刻化」について取り上げられています。

 

企業であっても、エンジニアとして働く個人からしても、今後のビジネス面において人材不足の深刻化は問題となってくるでしょう。

 

経済産業省がまとめているデータ及びIPAが発表しているIT人材白書においても、2019年をピークに今後のIT人材不足は年々増加し、2030年には79万人のエンジニア不足が予想されています。

 

しかし、現在も多くの人がプログラミングを始め、IT関連の需要は高まっている中、それほどまでに人材供給が足りていないのかと疑問に思う人もいるかもしれません。

 

本記事では、IPAによるIT人材白書のデータをもとに、現状におけるIT人材と今後のIT人材に関する内容を考察していきたいと思います。

 

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エンジニア不足の深刻化について

こちらは経済産業省がまとめたデータになります。

このデータから見て取れるのが、IT企業及びユーザー企業におけるシステム部門に所属する人材が年々不足するという点です。

 

・2015年時点で約17万人のエンジニア不足

・2020年に約37万人のエンジニア不足

・2030年に約79万人のエンジニア不足

 

このように、IT業界のエンジニア不足が加速度的に高まっているのが現状になります。

 

ITエンジニアの不足規模

こちらのグラフを参照すると、2015年時点で約17万人のエンジニア不足となっています。

 

そこから2030年の低位シナリオで約41万人のエンジニア不足、高位シナリオについては約79万人のエンジニア不足と深刻化が顕著に現れています。

 

業界全体としてもエンジニア不足が深刻化と見受けられますが、特にエンジニア不足の深刻な分野としては、セキュリティ分野とAI・ビッグデータに関する分野となっています。

 

セキュリティ分野においては、2016年時点で約13万人のエンジニア不足となっており、2020年には約19万人のエンジニア不足が予想されています。

 

社外向けの情報セキュリティ対策業務を担当する人材について特に不足感が強いとされています。

 

また、AI・ビッグデータに関する分野では、2016年時点で1.5万人のエンジニア不足、2020年には約4.8万人のエンジニア不足と予想されています。

 

やはり先端IT技術に関するエンジニア不足では、「知識を十分に持った人材不足」「製品やサービスを具体化できる人材不足」といった課題が挙げられています。

 

IT業界の実情として、情報セキュリティ・AI・ビッグデータに関する分野は専門的な高いスキルを要求されるため、企業の中でもそれらを満たすエンジニアが求められていることになります。

 

裏を返せば、専門的な高いスキルを身に付けていくことは、これらの企業課題を満たすことにつながるため、エンジニアとしての市場価値を高めることになります。

 

エンジニア不足における”量”の問題について

IPAによるIT企業におけるエンジニア不足の”量”については、「大幅に不足している」「やや不足している」の割合合計が約90%を占めています。

 

これは、ほとんどの企業がエンジニア不足における”量”に対して問題を抱えていることになります。

 

やはり、IT業界では価値を創造するための業務も存在するため、それらのかちを創出するための人材が”量”の不足からも顕著に現れています。

 

エンジニア不足における”質”の問題について

こちらに関しても、「大幅に不足している」「やや不足している」に関する割合合計が90%を上回る形となっています。

 

エンジニアに求められている具体的な”質”について詳しく解説していきます。

 

エンジニアに求められる”質”について

エンジニアに求められる”質”に関して、左側のグラフは「価値創造型」を示し、右側のグラフは「課題解決型」を示しています。

 

価値創造型においては、「問題を発見する力(探索能力)・デザイン力」「新しい技術への好奇心や適応力」「独創性・創造性」が割合を高く占めて求められるものになっています。

 

また課題解決型においては、「IT業務全般的な知識・実務ノウハウ」「IT業務の着実さ・正確さ」の二つが割合が高く占めて求められることになります。

 

やはり、価値創造型と課題解決型では求められているスキルが異なり、価値創造型においては上記の内容の割合が非常に高いため、市場価値を高めるためにも強く求められているスキルであることが示唆できます。

 

エンジニア不足の”量”と”質”の変化について

こちらは、IT人材白書2018におけるネットサービス実施企業にて、エンジニアに関する”量”と”質”における不足感について過去3年間を比較したものになります。

 

エンジニア不足における”量”においては、2016年に緩和してはいるものの、2017年に40%も「大幅に不足している」と不足感を感じている企業が存在していることがわかります。

 

また、エンジニアにおける”質”においても、同じく2016年に交わしているものの、2017年に約40%近く「大幅に不足している」と不足感を感じています。

 

つまり、”量”と”質”ともにエンジニア不足が顕著に現れていることが見受けられます。

 

前述した通り、特に情報セキュリティ・AI・ビッグデータなどの分野に関する”質”におけるエンジニア不足が問題視されています。

 

AIエンジニアの確保・獲得について

ここでは、上記で述べてきたエンジニア不足の深刻化の中でも、注目されトレンドとなっているAIエンジニアに関してさらなる考察を行なっていきます。

こちらは、IT人材白書2019のIT企業のAIに携わる人材獲得・確保に対する調査内容になります。

 

調査したIT企業において、「AI人材はいる」が約14%、「AI人材はいないが、獲得・確保を検討している」が約28%、「AI人材はいない。獲得・確保の予定はない。未検討」が半数以上の約58%を占めています。

 

このことから、先端IT技術分野の一つであるAIですが、IT企業の中でもエンジニア獲得・確保以前に検討をしていない企業が多く存在していることが分かります。

 

しかし、今後のIT業界としてAI・ビッグデータといった先端IT技術が進歩していく上で、それらに強く関連する技術は間違いなく必須スキルとしてエンジニアが持ち合わせていかなければ、生き残ることは皆無です。

 

さらに、技術進歩によって多くの分野が成長することは、それだけセキュリティを高めた安全運用も視野に入れなければならないため、追随するように情報セキュリティ分野のエンジニアも市場価値を高めていくことになります。

 

IT業界の大手企業を始め、先端IT技術を駆使し始めれば、先端IT技術を利用しない企業と大きなビジネスにおけるギャップが生じるため、必ずどこかのタイミングで需要の爆発が発生するはずです。

 

これらの内容から、AIエンジニアの重要性は今後飛躍的に増加してくることが予想されます。

 

こちらの内容は、先ほどの「AI人材はいる」「獲得・確保を検討している」と回答した企業に関する調査になります。

 

今後重点的に取り組む内容として、、、

・社内の人材育成を行って確保

・即戦力となるAI専攻の学生を新卒採用

・即戦力として中途採用

・外部委託による確保

 

これら4つが取り上げられています。

 

やはり一番多くの割合を占めているのが、社内の人材育成となっています。

しかし、そもそもエンジニア不足における”量”も懸念されているため、今後ますます即戦力となるAI分野の新卒採用と中途採用における割合が高まることが予想されます。

そのため、エンジニアにおいて先端IT技術の学習を継続していくことによって、市場価値の高いIT人材を目指すことができます。

 

まとめ

ここまでエンジニア不足の深刻化について、エンジニア不足における”量”と”質”にフォーカスしながら、AIエンジニアに関する内容に至るまでを解説してきました。

 

IT業界では日々技術進歩が行われているため、価値創造と課題解決の両方を求められてくる内容のスケールがどんどん拡大しています。

 

すでにIT業界に携わっている人・これから取り組もうと考えている人のどちらであっても、エンジニア不足の”量”の問題があるため、市場においての人材価値は一定のレベルで満たすことができます。

 

しかし、今後のIT業界の成長に伴い、エンジニアにおける”質”を高めなければ、エンジニアにおける市場価値のギャップが人材ごとに顕著に現れてくるでしょう。

 

そのため、これからのIT業界の動向を確認しながら自分自身の市場価値も高めるのが、エンジニアとして生き抜いていく方法になります。

 

最後まで一読していただき、ありがとうございました!



ABOUTこの記事をかいた人

sugi

大学卒業後、IT企業に就職を果たす。システム開発・人工知能に触れながら大手企業と業務をこなす。2年半後脱サラし、フリーランス活動経験を経て 2019年2月から起業し、今に至る。 自社サービス及び製品を開発、ブログ収入、クラウドソーシングなど、多方面で売り上げを立てている。