スクールを運営している者として、よくスクール生の悩みを聞きます。
プログラミングと一言で言っても、考えなければならないことは数多く存在します。
TwitterなどのSNSでは特に見かけますが、100日間コーディングとか、技術書読破とか様々な目標を掲げ、一見順調に学習できているように思えます。
もちろん、その目標達成が積み重なり、プログラミングを通して仕事を見つけたり、就職や転職といった道を選ぶ人もいます。
そうなれば、学習成果が実り満足いく結果となることでしょう。
ただ、「フリーランスとして働きたい」「ノマドワーカーとして転々と行動しながら稼ぎたい」という目的を持っている人は要注意です。
なぜなら、プログラミングでできることと、プログラミングでやりたいことは全然違うからです。
以下の章から、できることとやりたいことの違いを具体的に解説していきます。
目次
プログラミングでできることとは?
プログラミングでできることとして、“働き方”のための手段に利用されます。
以下の2パターンが働き方として、一般的だと思います。
・会社勤務
・フリーランス(個人事業主)
・副業
よく、SNSでも周りの様子を見ても、働き方を変えるためやそもそも職業を変えるためとして、プログラミングに取り組む人が多いと感じています。
プログラミングというのは、あくまでも手段に過ぎません。
何かお客様に求められている”モノ”があれば、それらを作成・開発することが仕事になります。
上記はマーケットインでの考え方として成り立ちますし、プロダクトアウトの場合でも、ニーズに合わせた製品開発が求められるのは同様になります。
どちらにおいても、求められている“モノ”によって、作成・開発に着手するわけです。
つまり、プログラミングでできることは、あくまで“モノづくり”に対して利用できることになります。
プログラミングができるようになったからといって、ビジネスや仕事ができるわけではないのです。
少し小難しい話に聞こえるかもしれませんが、事実プログラミングをある程度のレベルまで習得できた人でも稼ぐことができないのは、こういった考え方を深く理解していないために生じてしまいます。
では、“プログラミングでやりたいこと”とは一体なんなのでしょうか。
以下の章から目的別に合わせて、一つ一つ解説していきます。
プログラミングでやりたいこととは?
ここからは、プログラミングでやりたいことについて、よくある目的別に解説していきたいと思います。
主に、目的としてあげられるのが以下の3つです。
・就職や転職活動をするため
・フリーランスや個人事業主として働くため
・プログラミングを通して起業するため
・副業に取り組むため
まさに、プログラミングというツールを活用して、“働き方”を変えるため・“職業”を変えるために目的とされやすいものが挙げられます。
筆者も、会社員時代・フリーランス・個人事業主・会社設立と多くの働き方の変革を行ってきました。
これらの働き方を経験してきたからこそ、プログラミングを通して“できること”と“やりたいこと”の違いに気づくことができました。
プログラミングでやりたいこと①:就職や転職
多くの人は、この働き方を基本として考えていると思います。
つまり、どこかしらの会社に会社員として所属するということです。
これは、一番プログラミングという技術を純粋に武器として振るうことができます。
なぜなら、会社とは営利目的に沿って役割を分担し、それぞれの役割を担うように組織化されています。
IT企業で言えば、マーケティングを行う人、BtoCやBtoBで営業を行う人、お客様が求める製品を開発する人など、それぞれの役割を決めて活動しています。
これほどまでに役割を決め組織化すると、プログラミングでできることがそのまま就職先や転職先で仕事となり、直結した考えで取り組むことができます。
もちろん、中には雑務をこなさなければならない人もいますが、ただプログラミングだけを行う人は当然会社員の中では皆無なので、指示された業務をこなす必要はあります。
その中でも、プログラミング業務が比較的多い働き方を選ぶことはできます。
だからこそ、プログラミングで“できること”と“やりたいこと”を直結させたい人にとって、就職や転職は最適なのではないかと思います。
プログラミングでやりたいこと②:フリーランス
ここからは、一般的に会社員として働くという考え方からは離れていきます。
フリーランスとは、簡単に言うと限定的な働き方をプロジェクト単位で行うことです。
そのため、取り進めているプロジェクトが完了すれば、とりあえず一時的に仕事は遂行したことになります。
ただ、プロジェクトによっては継続案件であったりすることもあるので、一概に全てのプロジェクトが納期までとなるかはその案件次第になります。
ここで重要になるのが、自分を売り込む際の営業スキルと技術力になります。
当然、プログラミング技術が乏しければ、稼ぐことはおろか働き先まで見つからないという悲惨な状況になってしまいます。
また、プログラミング技術が備わっていても、自分を売り込む方法や売り込み先がなければ、これもまたフリーランスとして働くことはできません。
つまり、就職や転職といった働き先での常駐とは違い、働き口をより多く持つための営業スキルも必要になってくるわけです。
そのために、エンジニア・プログラマー界隈の方々とのコミュニティも持っていないと働き口を自力で見つけるのは困難になります。
たとえ自力で見つけれたとしても、限定的な契約が終了すれば、また別の働き口を探す必要があるので、継続的に舞い込んでくる仕組みを働き方に埋め込んでおく必要があります。
これによって、“プログラミングでできること”と“プログラミングでやりたいこと”にギャップが発生し、挫折してしまう原因にもなります。
如何にしてプログラミングをツールとして活用できるかを考えておかなければならないということになります。
プログラミングでやりたいこと③:個人事業主
ここからはさらに難易度は高まっていきます。
なぜなら、事業を立ち上げるわけですから、ビジネスモデルの構築も必要になってきます。
簡単な例を挙げるとするならば、筆者が運営しているこのブログ媒体がそれに相応します。
このブログでは、ブログ記事を投稿し、記事のジャンルごとに役立つ情報を提供することで読者を集めています。
筆者の場合、特定の言語を扱うようにしていますが、その要素をより凝縮した資料や学習教材などをこしらえて、提供できる環境を整えています。
また、Twitterも同じようにブランディングすることで興味を持っていただき、流入経路の一つとして活用しています。
そして、その環境に飛び込みたい・学習したいとマッチングできた方々に有料商材を提供しています。
プログラミングの良いところは、有料商材とした場合でも誇張もクソもない商材を作り出すことができる点です。
要するに、コード記述によって嘘をつくことさえできませんし(嘘を付く気もありませんし)、商材内容を購入前に全て公開することで欲しい人だけが購入できるわけです。
なので、満足度も確定しているわけです。
当然、商材内容をみて必要ないと思えば、購入されないという非常にシンプルな利害関係が生まれます。
ここで考えるべき点は、事業を行うためには、集客スキルと営業スキルと技術力の3点が少なくとも必要になるということです。
ビジネスを個人として実施するわけですから、全て1人で行う必要があります。
もちろん、分担制でチームを組めば割合を決めて実施しますが、何かに所属するかしないかの違いと、会社か副業かの違いぐらいです。
ここでも、「1人で悠々自適に暮らすため」という目的を持っている人であれば、プログラミング学習だけではうまくいかず、挫折を味わうことになってしまいます。
やはり、プログラミングはあくまでも手段でしかありません。
達成したい目的にプログラミングを手段として選んだ場合、最低でも集客スキルと営業スキルが必須になるわけです。
つまり、技術習得自体を目的にしない限りは、プログラミング学習だけしたところでいつまでも技術習得以外の目的は達成されません。
やはり、“プログラミングでできること”と“プログラミングでやりたいこと”は、全然話が違ってくるわけです。
この記事だって本来プログラミングには必要のない執筆スキルです。
それでも筆者としての“プログラミングでやりたいこと”のために、日々ネタを探してはブログ記事を投稿しているわけです。
プログラミングでやりたいこと④:起業
さらに難易度が高まってきます。
というより、もはや“プログラミングでできること”をどう活かすかだけに着目し始める段階です。
なので、学習内容はプログラミング以外の方が大半になってきます。
筆者の場合は、よりプログラミングを活かすためにスクール運営という選択を会社として取り決めました。
そして、スクール生に対して、「プログラミングは目的のための手段でしかありません。」と耳にタコができるぐらい言い聞かせています。
SE/PGであり、経営者であり、一講師である身として、できるだけ支援できるよう日々色んなことに私自身が取り組み、伝えています。
プログラミングでやりたいこと⑤:副業
プログラミングに取り組む人の中には、副業のために利用する人もたくさんいます。
近年では、インターネットの普及によりクラウドソーシングにて稼ぐ方法も確立してきています。
特に、PHP、Ruby、Python、Javascriptなどの言語に特化していれば、比較的簡単に案件は探し出せるはずです。
ただ、当然求められるプログラミングレベルはピンからキリまで存在するため、クラウドワーカーあるいはランサーとして働き出した初心者であれば、簡単な案件から実績を積み上げていきましょう。
このように、多くのやりたいことが目的化されていますが、プログラミング学習だけで収まるものではないということになります。
では実際に、プログラミングを通して稼ぐために働くのは、どういったことを考える必要があるのでしょうか。
以下の章で、深掘りしていきます。
プログラミングで稼ぐとは?
先ほども上述しているように、就職や転職に限っては、所属している働き先での業務があるため、稼ぐというより働いた業務に見合った給料をいただく形になります。
ただ、フリーランス・個人事業主・起業に関しては、その上限が格段に変化します。
これらを“自らの裁量で稼ぐことができる力”と置き換えるのであれば、やはりプログラミング学習だけでは到達できない内容になります。
改めて箇条書きしますが、以下の学習ポイントを設けることで筆者は力を養うことができました。
・集客
・営業
・技術
細分化すればキリがないので、3つのカテゴリに集約しました。
集客とは?
これはなくてはならないスキルセットの一つになります。
やはり、集客媒体がないのに人を集めることなどできません。
もちろん、周囲の人のみで集めることができるかもしれませんが、集客用の媒体があるかないかで拡散力や影響力、集客力に大きな差が生まれます。
筆者の場合は、SNSとブログが主な集客媒体になっています。
スクール運営のほうでは、営業さんとチームを組んでいますが、基本的にはネットの力を利用します。
今の時代にネットを使わない手はありませんし、むしろネットが当たり前の世代からすれば、その方法以外にパッと最適な手段が思い浮かびません。
であるならば、自然とこのネットの力を利用すれば良いと思います。
筆者も例外なくその1人なわけです。
営業とは?
この力は、目的によって変化する力でもあります。
それぞれの目的別に沿って、営業力の変化を解説していきます。
就職や転職活動
これはとてもシンプルで、自身のプログラミング学習の成果物としてポートフォリオをまとめたり、あるいは就職先や転職先にアピールするため、形あるものとして資格を取得したりなどです。
もちろん、面談の中でいかに自分が会社に貢献できるかをアピールする必要もあります。
特に好まれるのが、即戦力となる人です。
教育コストができるだけ少なければ、それだけで強いアピールポイントになります。
そのため、それだけのコストをかけずに済むアピールポイントを強化していけば採用されやすいです。
就職先や転職先の採用基準もありますが、年齢であったり、実務経験であったり、技術力の高さであったり、決め手となるアピールポイントは様々です。
フリーランス
こちらは、就職や転職活動と同様にアピールポイントをまとめておくことも必要ですが、エンジニア・プログラマー界隈でのコミュニティも持っておくことをオススメします。
自分自身のスキルセットを他者と共有しておくことで、「そういえばあの人あれも出来るって言ってたな。」という具合に相談や連絡が訪れます。
その際に、紹介していただける案件が舞い込んでくることもあるので、そういったコミュニティに所属しておくと、自分の売り込みが楽になります。
ネットの力をうまく利用するのであれば、クラウドソーシング会社であるランサーズやクラウドワークス、他にもココナラでスキルを売ることも可能です。
もちろん、ネット上でもPCの向こう側にはお客様が存在しているので、営業メールや自己紹介文のセンスも問われてくるでしょう。
個人事業主
個人事業においての例として、ブログを挙げましたが、ブロガーの人はとにかくセールスライティングがうまいです。
筆者で言えば、メルマガを利用したプロダクトローンチと呼ばれる手法で有料商材を提供していたりします。
他にも、一般的な電話営業のトークスキルが必要な場合もありますし、プレゼン資料作成のスキルも必要になってきます。
起業
これに関しては、今まで出てきた営業スキルの例を盛り込みまくる必要があります。
むしろ、盛り込んで悪いことある?ってぐらいトライアンドエラーを繰り返し、仮説と検証によって改善され、一事業に最適な営業方法を採用していきます。
もうこんなに行動するの?ってくらい疲弊しますが、売り上げが立つと不思議なもので疲れを忘れます笑
経営者になると、本当に人付き合いも変化してきます。
一番の驚きは、経営者と接点を多く持つことです。
世の中、経営者だらけじゃね?って思います。
それぐらい、代表取締役社長という人たちばかりと出会います。
その中で、業務提携や協賛企業など、様々な形の契約を結ぶ営業スキルが必須になってきます。
技術とは?
ここでようやくプログラミング学習を目的に合わせて手段として取っているか取っていないかになるわけです。
ここまで読んでくださった人なら、もう感じているかもしれませんが、プログラミング学習において“プログラミングでできること”がどれだけ向上しても、“プログラミングでやりたいこと”はこれまた別な話って分かっていただけたかと思います。
それほどまでに、プログラミング学習一つ切り取っても、考えることは目的によって様々です。
また、目的を達成するための一部分としてプログラミング学習が存在するわけです。
そして、プログラミングはその確かな成果物を実現させるためにあるツールとなります。
まあPC上の仮想空間での成果物であるため、実際はデータの塊なわけですが、今の時代はそれらを評価し、価値を付けるようになっています。
そのスキルを身につけていくことが技術力ある人材として価値が生まれるということです。
プログラミング学習で作りたいものがない場合
独学・未経験から始める人も少なくないので、プログラミング学習の継続や学習を続けたスキルアップにはそれなりのハードルが設けられています。
また、プログラミング学習においても、学習者によってはすでに学習対象とするプログラミング言語や狙っている分野が存在するかもしれません。
そのため、費用を抑えて効率的にピンポイント学習で取り組みたいと考える人も少なくありません。
また、プログラミング学習において目的を持って取り組むことは大切ですが、『何を作ればいいかわからない。。』といったスタートの切り方で悩む人もいると思います。
そういったプログラミング学習の指標となる取り組み方について詳細に記載したまとめ記事がありますので、そちらも参照して頂けると幸いです。
それでも取り組みに不安を抱く場合は無料相談がおすすめ
まずは取り組むことを優先しすぎたあまり、何から取り組んで良いかわからず、曖昧な計画によって取り組みを断念してしまうのは、非常にもったいないことです。
現在多くのプログラミングスクールが存在しますが、多くのスクールで無料相談や無料説明会を実施しています。
筆者の周りでも、多くの実践者がプログラミングスクールの無料相談と無料説明会に参加して、自身のプログラミングへの取り組み方、エンジニアとして働くためのスキルアップ、転職サポートに至るまで相談をしながら、活躍されている人もいます。
きっかけは人それぞれですが、その後のキャリア形成やプログラミングのスキルアップで悩まれている人はぜひ活用してみてはいかがでしょう。
この本サイトでも、企業研究を含めたプログラミングスクールのまとめ記事がありますので、こちらから参考にして検討してみてください。
また、無料相談・無料説明会の利用も考慮した上での比較表や実施内容も掲載しているので、参考にして頂けると幸いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の記事では、“プログラミングでできること”と“プログラミングでやりたいこと”を比較しながら、働き方やそれぞれのスキルについて解説してきました。
ここまでの記事の内容に納得して頂けた人であれば、“できること”と“やりたいこと”は全然違う話だと感じてもらえたかと思います。
そして、いかにプログラミング技術が複合的なスキルセットの上で成り立つものなのか、分かって頂けたかと思います。
これからプログラミングを学習していく人にとって、少しでも参考になる内容なっていれば幸いです。
最後まで一読していただき、ありがとうございました。